第拾話
残像
- あらすじ
- ――心を明け渡すつもりはなかったのに。
あの秋の少女神の声が頭から離れない。
四季庁に設置された秋の代行者捜索本部に凛とした声が響いた。
秋の代行者護衛官・阿左美竜胆の瞳に二人の少女の姿が映る。
春の代行者・花葉雛菊と、その代行者護衛官・姫鷹さくらがやってきたのだ。
「どうしてここまでしてくださるのか?」
春主従の行動に懐疑的な様子の竜胆。
「主の為に我々を利用するくらいして見せろ! 護衛官だろうが!」
十年前の経験から、さくらは竜胆に発破をかける。
そんな中、撫子を攫った賊の正体が割れて――。
「……あの人、だった」
雛菊の口から語られる犯人の姿、その手口。
それらの情報は、捜査本部にいた者達を恐怖と混乱に落とすには十分だった。
代行者の始まりの物語は、以下のように続く。
――その密やかな情熱に気づいていた夏と秋は、彼らの為に提案をした。
大地に住まう者に、自分達の役割を任せてはどうかと。


