第拾壱話
焦燥
- あらすじ
- ――だからもう、自分で自分の首を絞めているような、自死を選んでいるような、あんなにも苦しい気持ちは失くなっていた。
十年前に雛菊を攫った組織、【華歳】。
その頭領である観鈴・ヘンダーソンが撫子誘拐の犯人であると断定し、捜査本部は動き出す。
四季庁に待機となった春主従は、これから来る冬主従を迎えることとなったが、さくらの胸中は複雑だった。
「貴方を大丈夫じゃなくさせる失礼な真似をしたら、さくらがその場で斬り捨てますよ」
「だから、今度は、雛菊が、さくらがもう、誰か恨むの、疲れたって、なった時、おいでって、してあげたいの……」
自身の従者が、わりきれぬ想いを抱えていることを察し、雛菊はさくらを抱擁するような言葉を捧げる。
そんな中、彼女たちが訪れていた四季庁にて事件が発生してしまう。
「代行者様方!火事です!早く下へ!」
しかし、その対応の早さをさくらは訝しみ……。
代行者の始まりの物語は、以下のように続く。
――力を分け与え大地を一年かけて巡り歩く、その名を四季の代行者。


